6/23は沖縄独自で設定された記念日だ。起源は、沖縄戦で追い詰められた第32軍司令部が自決したのがこの日だったことにあるという。今回僕たちが向かった平和祈念公園は、彼ら含む戦死者242567人の名前が刻まれている「平和の礎」を包含し、当時の凄惨さを象徴する場所である。
現地には数多くの人々が集っていた。祈る人、報せる人、花を捧げる人、思想を掲げる人......。中には叫ぶ人もいたが、各々胸に抱える思いは真剣であった。こう書くと重々しい雰囲気が漂っていたかのように思われるかもしれないが、実際はそうでもない。暑さの中土に浮かぶ木漏れ日と、その影に涼むおじいちゃんおばあちゃんらが雑談する姿は、道を歩く僕らをほっこりさせてくれた。
公園には資料館がある。慰霊の日限定で、資料館の有料コーナーが無料展示されていたため、自由時間中はそこに足を運んだ。本来有料というだけあり、時間内では回れないほどのボリュームがある展示だった。表や映像記録が並ぶ中、印象的なのは当時の風景を原寸大で再現したモデルだった。そのコーナーではガマの中の生活や街並みが忠実に再現されており、当時の空気感を肌で感じることができた。
12時の黙祷を終えると石破首相の演説も聞くことができた。途中叫ぶ人もいたが、多く配備されていた警官に追い出されていた。演説が終わると、式が終わっていないにも関わらず即座に帰る人も多くいた。
演説終わりにLINEを開い時、集合の合図と不在着信に初めて気付いた。申し訳ない......。待機していたバスは僕の着席と同時に発車した。向かう先は首里城だった。現地に着くとまず、みんなで昼食を摂ることにした。レストランでは一番伝統料理っぽい雰囲気のあるものを頼んだ。後で友人に「味噌にお湯を注いで豆腐を入れる料理だった」と説明したら、「味噌汁やん」と言われた。確かに。食事後は階段を登ることにした。正殿が焼失してしまったとはいえ、その光景は圧巻だった。そう感じたのは多分、道が広かったのと、門がズッシリしていたからだと思う。あと、同行していた中国人留学生の解説が面白かった。お土産コーナーでは、店員のおばちゃんがめっちゃ話しかけてきて仲良くなった。雑談の中で、「神の島 久高島」を紹介された。名前がかっこいいのでいつか行ってみたい。
このような感じで、今回のフィールドトリップでは沖縄の理解を大いに深めることができた。僕も老いた頃にまた公園に赴き、道行く人を眺めるおじいちゃんになろうと思う。